教材レビュー

電験3種これだけシリーズを徹底的にレビューしてみた

デンスケ
デンスケ
今回は電気書院から出版されている「電験3種これだけシリーズ」をレビューしていきます。
今から教材を選ぶ方は、この記事を読んでから教材を選ぶと後悔しない教材選びが出来ますよ。

ちなみに他の参考書もレビューしているので、↓こちらも参考にしてみてくださいね!

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「電験3種これだけシリーズ」ってどんな参考書?

今回レビューをする「電験3種これだけシリーズ」は数学・理論・電力・機械・法規の各1冊ずつの5冊が出版されています。
下の写真は実際に購入して自宅で撮った写真です。

このテキストを一言で表現すると

超網羅的で上級者向け

です。
一言じゃなくて二言になってましたね(笑)

超網羅的で上級者向け

とにかく情報量が多くて、本当に辞書のような参考書です。
これは良い面も悪い面もありますが、電験3種の合格を目指している人にとっては少し過剰すぎる情報が掲載されています。

出題率が低い内容も高い内容も同じくらいの詳しさで説明されています。
また、この知識は電験3種じゃなくて電験2種の範囲では?という高いレベルの内容も多く掲載されています。

要するに初心者の方にはあまりオススメできる教材ではありません。

どんな人にオススメなの?

「電験3種これだけシリーズ」は下の3つの条件を満たしている人にオススメです。

これだけシリーズを使いこなせる条件
  1. 電験3種だけではなくて将来的には電験2種1種も目指していく
  2. 微分方程式・ラプラス変換はすごく得意
  3. 電験3種の出題傾向はバッチリ把握している

あなたは全て当てはまりますか?
初心者にはなかなか厳しい条件ですね。
初心者の方にはSATの「電験3種パーフェクト講座」をオススメしています。
SATの教材をご存知なければ、一度レビュー記事を読んでみてください。

SATの教材のレビュー記事を読む

「電験3種これだけシリーズ」の特徴

それでは改めて「これだけシリーズ」の特徴を詳しく見ていきましょう。

これだけシリーズの4つの特徴
  1. 問題数が多い
  2. 情報量がとても多い
  3. 図が簡略化されている
  4. 高度な解法を中心に掲載されている

それではこれらの特徴を1つずつ詳しく見ていきましょう。

問題数が多い

これだけシリーズには2種類の問題が掲載されています。

これだけシリーズの問題の種類
  1. やさしい問題・・・基本問題で電工2種レベルの問題
  2. チャレンジ問題・・・応用問題で電験3種レベルの問題

これら2種類の問題の数を科目別に集計してみると下のような結果になりました。

かなり多いですよね?
理論・電力・機械は2種類の問題を併せると200〜250問の問題が掲載されています。
法規は若干少なくて100問程度ですね。

これだけの演習問題を完璧にマスターすれば、かなりの解答力が身につきます。
過去問に換算すれば10年分程度に匹敵しますからね。

ただし下で詳しくご説明しますが、問題の解説は決して充実しているとは言えません。
空欄補充・正誤問題は解答の選択肢だけ掲載されている問題も少なくありません。

情報量がとても多い

このテキストを一言で表した時にもご説明しましたが、
これだけシリーズは情報量がものすごく多いです。

一見とても良いことのように見えますが、実はそうとも言えません。
このテキストをマスターしてしまうと、電験3種合格には必要ない知識までも時間をかけてマスターしてしまうんです。

具体例をあげましょう。
電験3種の電力で原子力発電に関する問題は毎年1問程度出題されます。
そこで扱われる原子炉は軽水炉がほとんどです。ほぼ100%と言っても良いかもしれません。

しかし「これだけシリーズ」では軽水炉だけではなくガス冷却炉・高速増殖炉まで解説されています。
しかもその解説が軽水炉と同じくらい詳しいんです。これでは軽水炉に関する出題がほとんどあることが伝わりません。

このように「これだけシリーズ」は超網羅的に濃淡なく解説されているテキストなので、重要な部分も不要な部分も同じ時間をかけて勉強してしまうんです。

これだけシリーズは重要な部分も不要な部分も同じ時間かけて勉強してしまうため時間のロスが生じる

図が簡略化されている

これだけシリーズに載っている図は非常に分かりやすいです。
必要な情報だけを掲載して、不要な部分削ぎ落として見やすい図が載っています。

具体的には↓こんな図ですね。

これは汽力発電設備の給水フローの全体像を描いている図です。
手書き風の図で柔らかい印象がするのも個人的にはすごく好きです。

2色刷という点を除けば図に関しては100点の教材だと思います。

高度な解法を中心に掲載されている

これだけシリーズに載っている計算問題の解法は高度な解法が多いです。
計算問題の高度な解法ってどんな解法か分かりますか?
それは数学を駆使した厳密な解法のことです。

これも具体例をとって説明して見ましょう。

理論の頻出単元に「過渡現象の計算」というものがあります。
これは直流回路でスイッチが切れている状態から、スイッチを入れたら電流・電圧はどうなりますか?
という感じの問題です。
実はこの問題は2つの解法が存在します。

過渡現象の計算の解法
  1. 回路方程式を微分方程式で表し、微分方程式を解く
  2. 各素子の過渡応答を暗記しておいて、その組み合わせで解く

①の解法はイメージ出来ますか?
これこそがこれだけシリーズに載っている解法です。
つまり、問題の回路の微分方程式を立てて初期値を正確に設定して、微分方程式をときます。
しかもこれだけシリーズは微分方程式の解法にラプラス変換を使っています。
初心者の方にとっては、何のこっちゃか分かりませんよね?
これだけシリーズは、このような数学を駆使した解法を中心に解説しています。

②は数学が苦手な人のための解法です。
この問題はある程度パターン化できるため、そのパターンを覚えておいて組み合わせで解く解法です。
ちなみにDENZAPの推奨教材であるSATの教材では当然こっちの簡単な解法を解説しています。
SATの電験3種パーフェクト講座の理論テキストP46〜P54に、とても分かりやすく解説されています。

この説明では少しイメージしにくかったかもしれませんが、お伝えしたかったのは
数学(微分方程式やラプラス変換)が苦手な人がこれだけシリーズを使うと苦労しますよ!
ということです。

これだけシリーズと比較すると、SATの「電験3種パーフェクト講座」では必要以上に高度な数学を使わない解法を掲載しています。
もし数学はちょっと苦手だなと思うのであれば、SATの教材をオススメします。

SATの教材のレビュー記事を読む

次にこれだけシリーズで勉強するメリットとデメリットをご紹介します。

「電験3種これだけシリーズ」で勉強するメリット

これだけシリーズで勉強するメリットは下の2つが挙げられます。

これだけシリーズで勉強するメリット
  1. 演習問題が豊富なので、十分な問題演習が可能
  2. 図が適切に簡略化されているので、理解しやすい

まず、演習問題が非常に多いので十分な量の演習が可能です。
上でも説明しましたが、だいたい各科目200〜250問程度の演習問題が収録されています。(法規は100問程度)
これは非常に重要なポイントですね。
演習をすればするだけ、あなたの得点力は磨かれていきます。

次に図が適切に簡略化されている点も良いですね。
無駄に細かかったり不必要に詳細な図は掲載されておらず、電験のために必要な要素だけ抽出して図を作成してくれています。
このおかげで理論の現象理解や機械の構造理解が深まります。

「電験3種これだけシリーズ」を購入するデメリット

これだけシリーズを購入するデメリットは下の3つが挙げられます。

これだけシリーズ購入のデメリット
  1. 演習問題の解説が不親切な部分が多く、復習しにくい
  2. 超網羅的で選択と集中が出来ていないため、とても時間がかかる
  3. 高尚な解法や数学の高等テクニックが掲載されているため、理解が難しい

問題解説が不十分

まずは演習問題の解説の不親切さです。
せっかく演習問題の数は多いのに解説が不十分な物が多いので復習に向いていません。
問題はいっぱい作ったけど解答を作るのは疲れちゃったんですかね?(笑)
解答解説はテキストの巻末に纏めて掲載されています。
↓こんな感じですね。

写真からもわかるように空欄補充問題や正誤問題は選択肢のみの解答も少なくありません。

演習問題を解くだけでは意味がありません。
復習して完璧に解けるようになって初めて意味があります。
この解説では復習が十分に出来ない可能性があります。

超網羅的で選択と集中が出来ていない

”これだけ”と銘打っていますが、情報量は”こんなにも?”という印象です。

出題傾向などはあまり気にせず、とにかく一杯詰め込みました!という感じの参考書です。
辞書としては良い教材だと思います。特に情報が多いので電験2種に挑戦する方にとっても使える教材です。

上でも説明していますが、洗濯と集中が出来ていないため不必要な知識も時間をかけて覚えてしまいます。

高尚な解法や数学の高等テクニックが掲載されている

電気工学は数学と密接な関係があるため厳密に理解しようと思うと数学のマスターが欠かせません。
数学とは三角関数や指数対数だけではなくて、微分方程式とかラプラス変換とかベクトル解析とかですね。

でも電験3種の合格にはこんな高等テクニック使わずに解く方法があるのに、このテキストはあえて高等テクニックを採用しています。
つまり初心者の方には難しいということです。

まとめ

電験3種これだけシリーズは超網羅的な上級者向けのテキストです。
もしもあなたが数学力に自信があるならば購入することをオススメします。

これだけシリーズの特徴
  1. 問題数が多い
    ・・・数は多いけど、解説が少し残念
  2. 情報量がとても多い
    ・・・情報が多すぎて無駄に時間が掛かるかも
  3. 図が簡略化されている
    ・・・図は100点!とても参考になる
  4. 高度な解法を中心に掲載されている
    ・・・微分方程式やラプラス変換をバンバン使います
デンスケ
デンスケ
今回は市販のテキストで人気のある「電験3種これだけシリーズ」をレビューしました。
初心者の方にはオススメしませんが、数学の腕に覚えがある方や電験2種受験者の方にはオススメです。

当サイトでは電験3種の勉強法をDENZAPメソッドと銘打って無料公開しています。
ぜひ一度目を通して、電験3種の勉強法の参考にしてみてください!

 

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ABOUT ME
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後輩に電験3種を指導した経験からDENZAPを立ち上げる。趣味は電験3種の教材研究と過去問研究。平成7年度から前回までの全ての過去問を収集している根っからの電験マニア。普段は製造メーカーの電気エンジニア。